空前絶後の意味とは?由来(語源)と対義語は?前代未聞との違いも!空前絶後の意味と読み方は?空前絶後の由来(語源)は宣和画譜?空前絶後の類語の四字熟語を紹介!空前絶後と前代未聞の違いは?空前絶後の対義語や英語表現はあるの?空前絶後の使い方を例文で簡単に解説します!
空前絶後の意味とは?

「空前絶後の大事件」とテレビで聞くことがありますが、どのような意味なのでしょうか?
今日は、四字熟語の空前絶後について解説していきましょう\(^o^)/
読み方は「くうぜんぜつご」。
今までに例がなく、これからもあり得ないようなこと。
「空前」は、「前に空しい(むなしい)」で、これまでに例がないこと。
「絶後」は、「後は絶えて」で、今後も同じ例はないことです。
二つが組み合わさった「空前絶後」は、過去にも例がなく、将来も起こることがないレベルの非常に珍しいことを表す言葉です。
「空前絶後の大事件」は、いまだかつてなく、今後もまずありえないような、インパクト絶大な大事件のことになりますね。
空前絶後の由来(語源)は?

空前絶後の由来は、昔の中国の書物「宣和画譜 二」の以下の文章が語源です。
顧冠于前、張絕于后、而道子乃兼有之。
(顧は前に冠たり、張は後を絶つ、而して道子は兼ねて之を有す。)
これを現代語訳すると、以下のようになります。
東晋の顧愷之の絵画はこれまでにないほど素晴らしく、後梁の張僧繇の絵画はこれからもないほど素晴らしいというが、呉道子はその二人の才能を兼ね備えているほどの偉大な画家だ。
北宋の第8代皇帝の徽宗が唐代の画家・呉道子の絵画について評価したときのセリフが、空前絶後の由来なのです。
ちなみに、空前と評された顧愷之は、「佳境」の語源になった人です。
顧愷之は普通の人とは違い、サトウキビを甘くない先端から甘い根の方へとかじる習慣がありましたが、なぜかと聞かれたときに「だんだんと佳境に入るのが良い」と答えたとされています。
また、絶後と評された張僧繇は、「画竜点睛」の語源になった人です。
張僧繇が金陵の安楽寺の壁にかいた竜に睛(ひとみ)を入れたら、竜が天に昇ったと言われています。
空前の顧愷之と、絶後の張僧繇よりもすごい才能の持ち主って、すごいですね\(^o^)/
空前絶後の類語の四字熟語

空前絶後は「今までにもこれまでにもないこと」の意味ですが、類語には「これまでにないこと」だけの意味合いしか含まれていない言葉もあるので、使い方には気をつけましょう\(^o^)/
冠前絶後(かんぜんぜつご):非常に珍しいこと。また、飛び抜けて優れていること。
僅有絶無(きんゆうぜつむ):ほとんどないこと。
曠前空後(こうぜんくうご):これより後にも先にもないような、きわめて珍しいこと。
曠前絶後(こうぜんぜつご):今までに聞いたことも無く、今後も絶対に現れないような変わった出来事。
絶無僅有(ぜつむきんゆう):ほとんどないこと。
千載一遇(せんざいいちぐう):滅多に訪れそうもないよい機会。
前人未到(ぜんじんみとう):今までだれも到達していないこと。
前代未聞(ぜんだいみもん):今までに聞いたこともないような珍しいこと。
超然絶後(ちょうぜんぜつご):二度と起こりそうもないこと。
唯一無二(ゆいいつむに):この世でただ一つしかないこと。
四字熟語以外の空前絶後の類義語には、以下の言葉があります。
未曾有(みぞう):今まで一度もなかったこと。
比類ない(ひるいない):比較できるものがないこと。
類のない(るいのない):他に似たものがないこと。
他にも、「史上一番・史上初・史上最大」などと言い換えることができますね。
空前絶後と前代未聞の違いは?
空前絶後と前代未聞は、どちらも「めったにないまれなこと」ですが、少しニュアンスに違いがあるので解説していきます\(^o^)/
今までに一度も聞いたことがないような珍しいこと。
「前代」は、現在よりも前の時代、つまり過去のこと。
「未聞」は、まだ聞いたことがないという意味です。
空前絶後と前代未聞は、指している時間が違います。
空前絶後:過去にも未来にもない出来事
前代未聞:過去にない出来事
また、空前絶後は良い意味で使うことが多いですが、前代未聞は悪い意味で使うことが多くなっています。
空前絶後の対義語

空前絶後は「珍しいこと」なので、対義語は「珍しくない」の意味の言葉になりますね。
ここでは、空前絶後の対義語を紹介しましょう\(^o^)/
読み方は「へいへいぼんぼん」。
きわめて平凡なさまのこと。
平々凡々は、「平凡」を重ねて強調した言葉です。
読み方は「へいぼんちんぷ」。
古臭くありふれていて、面白みのないこと。
他にも、空前絶後の対義語を簡単な言葉で言い換えると、「ありきたり・ありふれた・月並みな・普通の」などになります。
空前絶後の英語
空前絶後の英語は、「the first and last(最初で最後の)」です。
後のことがわからなければ、「the first and probably the last(初めてで、たぶん最後)」にしましょう/(^o^)\
「the most (形容詞) ever」や「the (最上級) ever」は、これからもないというニュアンスはなくなりますが、「今までで一番」を表現できます。
<例文>
「This is the most delicious dish I’ve ever had.(こんなおいしい料理はじめてです。)」
「The Beatles are the greatest band ever.(ビートルズは今までで最高のバンドです。)」
「It was the hottest summer ever.(今までで一番暑い夏だった。)」
空前絶後の使い方(例文)を紹介!

空前絶後は、今までにもこれからも例がないだろうと思われるほど、めったにないことでしたね。
主に、良い意味で相手に強い印象を与えたいときに使われます。
凶悪犯罪や大災害は、将来にもっとひどいことが起こる可能性があるので、空前絶後は使うべきではありません。
これらに対しては、「これまでにない」という意味の「前代未聞」や「未曾有」などを使いましょう。
それでは、空前絶後の使い方を例文で見ていきましょう\(^o^)/
「あるお笑い芸人のセリフが空前絶後の大流行語となった。」
「アニメの影響でギターが空前絶後の大ブーム!」
「空前絶後のホラー映画が大ヒットした。」
「人気のなかった書道部に入部希望が殺到するなんて、空前絶後だ。」
「ねこを飼うことになり、我が家は今、空前絶後の盛り上がりだ。」
空前絶後について、最後まで読んでいただきありがとうございました!
前にも後にもないような出来事が起こったら、ぜひ空前絶後を使ってみましょう!

