漁夫の利の意味とは?類語/対義語/英語を解説!使い方(例文)も!漁夫の利の意味はラッキー!?漁夫の利の読み方は?漁夫の利の由来の物語って?漁夫の利の類語を紹介!漁夫の利の対義語はあるの?漁夫の利は英語でどう表現すればいい?漁夫の利の使い方も例文で簡単に解説します!
もくじ
漁夫の利の意味と読み方は?

日常生活で漁夫の利にありつけることはあまりないかと思います。
今日は、故事成語の漁夫の利について解説していきましょう\(^o^)/
読み方は「ぎょふのり」。
「漁父の利」や「漁夫之利」とも言う。
二者が争っているうちに、第三者が利益を手に入れること。
漁夫の利の意味は、両者が争っているすきに、他の者が何の苦労もなく利益を横取りしていくことです。
大企業のライバル同士で争いを繰り広げている間に、無名の会社に利益を取られてしまうようなことが漁夫の利というわけです。
シギ(鳥)とハマグリ(貝)が争っているうちに、たまたま通りがかった漁夫(漁師)が両方とも捕まえたという物語から、漁夫の利という故事成語が生まれました。
漁夫の利の由来の物語は?

漁夫の利は、昔の中国の書物「戦国策 燕策」の物語が由来です。
中国の戦国時代、趙の国が燕の国を攻めようとしたときの話です。
燕の国の役人が、趙の国の王の元へ攻撃を思いとどまるように説得に行きました。
「ある日、ハマグリが貝殻を開けてひなたぼっこをしていました。
しかし、通りがかったシギがハマグリの肉をついばんだので、ハマグリは殻を閉じてシギのくちばしを挟んだのです。
シギは『今日も明日も雨が降らなければ、干からびて死んだハマグリになるだろう。』
ハマグリは『今日も明日もくちばしを出せなければ、死んだシギになるだろう。』
と言いました。
お互い譲らず争っていたところ、漁師がやってきて両方とも捕まえてしまいました。
燕の国と趙の国が長期間の戦いで疲弊してしまったら、強国の秦に取られてしまいます。
どうか、燕の国に攻め入ることをよくお考えになってください。」
この話を聞いた趙の国の王は、燕の国に攻め込むことをやめたのです。
「ハマグリ=燕の国、シギ=趙の国、漁師=秦の国」に例えられているのですね。
漁夫の利の類語は?

漁夫の利の類語は、「苦労せずもうけてラッキー」という意味の言葉になります。
ここでは、漁夫の利の類義語を紹介していきましょう\(^o^)/
鷸蚌の争い
「いつぼうのあらそい」と読む。
両者が争っている間に、第三者が利益を得ること。
鷸蚌の争いは、漁夫の利と同じく「戦国策」のシギとハマグリの物語が由来で生まれた言葉です。
「鷸」はシギ(鳥)、「蚌」はハマグリ(貝)のことです。
濡れ手で粟
「ぬれてであわ」と読む。
何の苦労もしないで多くの利益を得ること。
ぬれた手で粟をつかめば、粟粒がたくさんついてくることから来ています。
棚からぼたもち
「たなからぼたもち」と読む。
思いがけない幸運を得ること。
棚から落ちてきたぼたもちが、ちょうど開いていた口の中に落ちてくることから来ています。
田父の功/犬兎の争い
「でんぷのこう」/「けんとのあらそい」と読む。
弱い者同士が戦いで共倒れし、それに乗じて第三者が利益を得ること。
犬がうさぎを追いかけ、両者が疲労で倒れたところ、通りがかった農夫が苦労せず両方とも手に入れた話から来ています。
一挙両得
「いっきょりょうとく」と読む。
一つのことで、二つの利益を収めること。
「一挙」は、一つの動作や行動のことです。
一石二鳥
「いっせきにちょう」と読む。
一つの行為から二つの利益を得ること。
石を一つ投げて二羽の鳥を得ることから来ています。
漁夫の利の対義語は?

漁夫の利の対義語は、「利益を得られない」「自分の不利益になる」という意味の言葉になりますね。
ここでは、漁夫の利の対義語を紹介します\(^o^)/
火中の栗を拾う
「かちゅうのくりをひろう」と読む。
自分の利益にならないのに、他人のために危険を冒すこと。
イソップの寓話で、猿が猫をおだてて囲炉裏の中の栗を拾わせ、猫が大やけどをしたという話が由来です。
結局、栗は猿に食べられてしまって、猫には何の利益にもなりませんでした。
二兎を追う者は一兎をも得ず
「にとをおうものはいっとをもえず」と読む。
欲を出して同時に二つのことを行うと、結局はどちらも失敗すること。
二羽のうさぎを同時に捕まえようとすると、結局は一羽も捕まえられないことから来ています。
二つの物事を欲張って行うと、どちらも成功しなかったり、中途半端に終わってしまったりしますね。
虻蜂取らず
「あぶはちとらず」と読む。
二つのものを同時に取ろうとして、両方とも得られないこと。
虻と蜂を両方とも退治しようとして、二つとも取り逃がしてしまうことから来ています。
漁夫の利の英語は?

漁夫の利はどのように英語で表現すればよいのでしょうか?
「Two dogs fight for a bone and the third runs away with it.」
→二匹の犬が一つの骨を争っている間に、三匹目の犬が骨を持って逃げた。
「profiting while others fight」
→他人の争いに乗じて利益を得る
「fish in troubled waters」
→問題のある水域で魚釣りをする
「play both ends against the middle」
→自分が有利になるように、対立する両者を争わせる
漁夫の利の「他人が争っている間にもうけを横取りする」「混乱しているすきに利益を持って行く」というニュアンスを英語で表現できるといいですね。
漁夫の利の使い方(例文)を紹介!

漁夫の利の意味は、当事者が争っている間に、関係のない人が利益をさらっていくことでしたね。
- (ハマグリの立場で)ケンカすると第三者に持って行かれるから、喧嘩しないでおこう
- (漁師の立場で)おいしいところだけいただきましょう
という二つの意味で使われます。
それでは、漁夫の利の使い方を例文で簡単に紹介していきましょう\(^o^)/
「漁夫の利を得るなんてうまい話はない。」
「我々が喧嘩をすると、彼の漁夫の利となってしまうので仲良くしよう」
「大手企業が足を引っ張り合っている間に、漁夫の利を占めることができた。」
「派閥戦争に無関係だった彼が昇格したのは、まさに漁夫の利だ。」
「兄と姉がおやつの取り合いをしていたから、漁夫の利としていただいてしまった。」
「選挙候補者がお互いネガキャンをしていて嫌気がさしたから、別の候補者に投票してきた。その候補者にとっては漁夫の利だね。」
漁夫の利について、最後まで読んでいただきありがとうございました!
戦略として、漁夫の利を狙ってみてもよいかもしれませんね!

