犬兎の争いの意味とは?漁夫の利と同じことわざ?由来(語源)を紹介!犬兎の争い(けんとのあらそい)の意味は漁夫の利と同じ!?犬兎の争いの由来(語源)は戦国策?犬兎の争いと同じ意味のことわざは何?鷸蚌の争いや田父之功は犬兎の争いの類義語?犬兎の争いの英語も紹介します!
犬兎の争いの意味とは?
漁夫の利と同じ意味の言葉に、犬兎の争いがありますが、どういう意味なのでしょうか?
今日は、犬兎の争いについて解説しましょう\(^o^)/
読み方は「けんとのあらそい」。
二者が争っているうちに、第三者が利益を得ること。
犬兎の争いとは、両者が無益な争いをして弱り、第三者に利益を横取りされることのたとえです。
犬が兎を追いかけ、何度も山を登るうちにどちらも力尽きて倒れたところを、通りかかった農夫が何の苦労もせず独り占めしたという寓話から来ています。
犬兎の争いの由来(語源)は?
犬兎の争いの語源は、昔の中国の書物「戦国策(齊策)」です。
犬兎の争いの原文・書き下し文・現代語訳は、以下のようになります。
犬兎俱罷、各死其處。
犬兎俱(とも)に罷(つか)れて、各々其の處(ところ)に死す
犬も兎もともに疲れ果てて、それぞれその場で死んでしまいました。
ここで、犬兎の争いの由来のエピソードを紹介しましょう\(^o^)/
齊の国が魏の国を攻めようとしていたとき、淳于髠が齊王に向かって言いました。
「足の速い犬が、すばしこい兎を追いかけました。
山の周りを三回駆け巡り、山の頂上まで五回駆け上がり、犬も兎もくたくたに疲れ果てて、死んでしまいました。
農夫がそれを見て、何の苦労もなく、獲物を独占してしまったのです。
今、齊の国と魏の国が戦って、兵と民を疲れさせようとしています。
齊の国と魏の国が弱ったのに付け込んで、強力な秦の国や広大な楚の国が、この農夫と同じくぼろ儲けしてしまわないか心配です。」
淳于髠の言葉を聞いた齊王は恐れて、魏の国と戦うことをやめました。
犬兎の争いと同じ意味のことわざは何?類義語を紹介!
「両者が戦って共倒れしたところに、第三者が利益をかすめ取っていく」という意味の犬兎の争いと同じ意味のことわざや類義語を紹介します\(^o^)/
漁夫の利/鷸蚌の争い
二者が争っているうちに、第三者が利益を手に入れること。
漁夫の利(ぎょふのり)と鷸蚌の争い(いつぼうのあらそい)は、同じ物語から生まれた同じ意味のことわざです。
シギ(鳥)とハマグリ(貝)が争っているうちに、たまたま通りがかった漁夫(漁師)が両方とも捕まえたことから来ています。
田父之功
二者が争っているうちに、第三者が利益を得ること。
田夫之功(でんぷのこう)は、犬兎の争いと同じ物語から生まれた同じ意味のことわざです。
田夫は、農夫のことです。
犬兎の争いの英語は?
犬兎の争いはどのように英語で表現すればよいのでしょうか?
「Two dogs fight for a bone and the third runs away with it.」
→二匹の犬が一つの骨を争っている間に、三匹目の犬が骨を持って逃げた。
「profiting while others fight」
→他人の争いに乗じて利益を得る
「fish in troubled waters」
→問題のある水域で魚釣りをする
「play both ends against the middle」
→自分が有利になるように、対立する両者を争わせる
犬兎の争いの「他人が争っている間にもうけを横取りする」「混乱しているすきに利益を持って行く」というニュアンスを英語で表現できるといいですね。
犬兎の争いについて、最後まで読んでいただきありがとうございました!
犬や兎ではなく、農夫の立場になりたいものですね。