意趣返しの意味とは?使い方の例文は?仕返しとの違いや由来/類義語も!意趣返しの読み方は?意趣返しの意味は仕返し!?意趣返しを皮肉の意味で用いるのは誤用!?意趣返しの語源(由来)は?意趣返しの類義語と仕返しの違いは?意趣返しの対義語と英語は?意趣返しの使い方も例文で紹介!
もくじ
意趣返しの読み方と意味とは?

「意趣返し」という表現を小説で見たことはありませんか?
誤用しやすい言葉なので、この機会に覚えましょう。
今日は、意趣返しについて解説していきます\(^o^)/
読み方は「いしゅがえし」。
仕返しをして、恨みを晴らすこと。
まず、意趣返しの読み方は「いしゅがえし」です。
意趣返しとは、恨みを返すこと、つまり復讐や報復のことです。
「意趣」とは、恨む気持ちや遺恨のことで、それを相手に返すから「意趣返し」となります。
意趣返しを皮肉の意味で用いるのは誤用
意趣返しは、現代では「冷やかし」や「ちょっとした仕返し」という軽い意味で使われることが多いです。
また、「意趣」という漢字から、「うまいことを言う」の意味だと勘違いしやすいかもしれません。
そのため、意趣返しを「皮肉」の意味だと思っている人もいますが、誤用なので気をつけましょう。
厳密に言えば、意趣返しには「皮肉で返す」ことも含まれますが、基本的に政治・会社などで起こるスケールの大きな仕返しに使われます。
小さな喧嘩の仕返しには、意趣返しではなく「仕返し」という言葉を使った方が良いでしょう。
意趣返しの語源(由来)は?

意趣返しの「意趣」という言葉は、中国語が由来です。
元々は、「意」は「心」、「趣」が「おもむき」の意味で、「意趣」は「自身の心の趣」や「雰囲気」の意味として使われていました。
つまり、意趣という言葉に「恨み」という悪い意味はなかったのです。
中国語の意趣が日本に入ってきて、中世以降に恨みの意味に転じたと言われています。
意趣返しの類義語は?

ここでは、意趣返しの類義語を紹介します\(^o^)/
仇討ち(あだうち):主君や親兄弟を殺したものを打ち取って恨みを晴らすこと。仕返し。
遺恨を晴らす(いこんをはらす):長年の恨みを晴らすこと。
意趣晴らし(いしゅばらし):仕返しをして、恨みを晴らすこと。
意趣討ち(いしゅうち):恨みを晴らすために、その相手を討ち取ること。
意趣斬り(いしゅぎり):恨みによって人を斬ること。
応酬(おうしゅう):先方からしてきたことに対して、こちらからもやり返すこと。
敵討ち(かたきうち):主君・肉親・友人などを殺した相手を討ち、恨みを晴らすこと。
逆襲(ぎゃくしゅう):攻撃されていた者が、勢いを転じて、反対に攻撃すること。
仕返し(しかえし):報復・復讐すること。
雪辱(せつじょく):以前受けた恥を、仕返すことによって消し去ること。
反撃(はんげき):敵の攻撃に対して、防御にとどまらずに攻めかえすこと。
返報(へんぽう):他人から受けた恨みに仕返しすること。
復仇(ふっきゅう):あだをうつこと。
復讐(ふくしゅう):仕返しをすること。
報復(ほうふく):仕返しをすること。
リベンジ:仕返しをすること。
意趣返しと仕返しの違いは?
意趣返しの類義語に仕返しがありますが、違いはあるのでしょうか?
①報復・復讐すること
②やり直し
意趣返しと仕返しは、両方とも復讐と言う意味ですが、仕返しの方が日常的に幅広く使うことができます。
意趣返し:会社や国交関係など、大人同士の積りに積もった恨みを復讐するときに使う
仕返し:子供の喧嘩やいたずらでやり返すなど、小さな出来事の復讐にも使える
意趣返しの方が、よりスケールの大きな復讐になります。
また、仕返しには、「やり直し」という意味もあり、「同じ作業を仕返す」などと使います。
意趣返しの対義語は?

意趣返しの対義語は、明確にはありませんが、相手に仕返しをせずに許す・受け入れるという意味の言葉になります。
寛恕(かんじょ):あやまちなどをとがめずに、広い心で許すこと。
勘弁(かんべん):他人の過失や要求などを許してやること。
堪忍(かんにん):怒りを抑えて、人の過ちを許すこと。
許容(きょよう):そこまではよいとして認めること。
受容(じゅよう):受け入れて取り込むこと。
辛抱(しんぼう):つらいことや苦しいことを我慢すること。
水に流す(みずにながす):過去のいざこざなどを、すべてなかったことにすること。
容赦(ようしゃ):ゆるすこと。大目に見ること。
また、意趣返しをしないが、恨みは残ったままであれば、以下のような言葉が当てはまります。
- 遺恨が残る
- わだかまりが残る
- 禍根が残る
- しこりが残る
意趣返しの英語は?
意趣返しのニュアンスを英語で表現すると、「retaliation」と「revenge」です。
例文
「He has done this in revenge.(これは彼が意趣返しにしたことだ。)」
「He has done this by way of retaliation.(これは彼が意趣返しにしたことだ。)」
意趣返しの使い方を例文で紹介!

意趣返しは、仕返しや復讐のことでしたね。
積りに積もった恨みの感情を晴らすときに使われる言葉で、皮肉の意味ではありません。
また、小さい喧嘩の仕返しではなく、大人同士の人間関係や、企業間などのスケールの大きな仕返しに使われます。
それでは、意趣返しの使い方を例文で紹介します\(^o^)/
「いじめられた意趣返しに、あいつの仕事を奪うように裏で手を回している。」
「その国への経済制裁は、意趣返しだと見られている。」
「Aさんが昇進したのは、Bさんへの意趣返しだろう。」
「部長にパワハラをされたので、意趣返しを目論む。」
「その政治家は挑発された意趣返しのごとく、非難の発言を続けた。」
「先方が取引をやめたのは、以前の問題の意趣返しに違いない。」
「大統領の会談のドタキャンは意趣返しか。」
意趣返しについて、最後まで読んでいただきありがとうございました!
後のことも考えてから、意趣返しをしてくださいね。

